【前編1】「スマートコントラクト×IoT」で実現できるサービスについて考えてみた

スマートコントラクトなモノづくりってなんだろう?

こんにちは!
スマートコントラクト開発部のマルシオです。DMMがスマートコントラクト事業に参入してはや1ヶ月。

※参入した理由については、事業部長の川本×エバンジェリストの加嵜×テックリードの篠原のインタビューをご覧ください!

テレビや新聞などの一般メディアでも、「仮想通貨」や「ブロックチェーン」というキーワードが頻繁に飛び交っています。
投機目的として仮想通貨が注目されていますが、

「仮想通貨の本来の価値はもっと別にあるのではないか?」
「一般消費者が投機以外の目的を持って仮想通貨を利用できるサービスを創出したい!」

DMMスマートコントラクト開発部では、そんな思いで日々開発にあたっています。

ご存知の通り、ブロックチェーン技術の適用範囲の可能性は多岐にわたり、さまざまな分野での応用が検討されています。

特に好相性だと注目されているのがIoTです。
IoTとはモノとインターネットが接続することでデバイス同士が連携する仕組みのこと。
デバイス経由で取得したデータを生かした自動契約が可能になるため、スマートコントラクトとIoTの相性は良いと考えられています。

「じゃあ、スマートコントラクトなIoT、スマートコントラクトなモノ作りって、何だろう?」

IoT×スマコンの可能性を探るべく、DMM.make AKIBAを運営するmake事業部とスマートコントラクト事業部で「IoT×スマコン合宿」を実施。

ブロックチェーン技術やスマートコントラクトという概念でどんなビジネスが実現できるのか知りたい!
IoTとスマートコントラクトの親和性がなぜ高いのか知りたい!
ブロックチェーン技術を使ってスマートコントラクトな、これまでにないプロダクトを創出したい!

そんな方にぜひ読んで欲しい、「IoT×スマコン合宿 presented by DMM」レポート前編をお届けします。

レポートを読む前におさえておきたい用語

IoT
Internet of Thingsの略。モノのインターネットとも呼ばれ、広義でインターネットにモノが接続していることを意味する。センシング(モノから情報を取得すること)し、クラウドに情報を蓄積、分析したデータを最適にフィードバックする一連のサイクルが基本構造となる。
ブロックチェーン
分散型台帳技術とも呼ばれ、ビットコインなどの仮想通貨の中枢となる技術。取引履歴をブロックと呼ばれる単位にまとめ、管理者不在でも改ざんが困難で自律的に動作する特徴がある。
スマートコントラクト
条件に合った出来事が発生すると契約が自動的に執行するようプログラム化された仕組み。商品購入をはじめ、さまざまな契約や取引に応用できる。
イーサリアム
ブロックチェーン技術を用いるアプリケーションを実装・運用するためのプラットフォームとして開発されたブロックチェーン基盤。仮想通貨としても利用され、決済や送金に優れた特徴がある。

六本木オフィスに集う、スマコンとIoTの精鋭たち

2018年2月某日、DMM東京本社がある六本木グランドタワーに、DMMスマートコントラクト、DMM.makeから精鋭が集結しました。

前編1

ブロックチェーンとスマートコントラクトを学ぶ

加嵜長門(DMMスマートコントラクト エヴァンジェリスト)

前編2

IoTを学ぶ

岡島康憲(DMM.make AKIBA エヴァンジェリスト)

後編

IoT×スマコンのサービスを考える

混合チームでアイディアソン

合宿の前半は、それぞれのエヴァンジェリストを講師に基礎講座を実施。後半は混合チームでアイディアソンを開催。
プロダクトのアイディア創出をゴールに、丸一日オフィスに缶詰となり、お互いの知識をぶつけ合いました。

ブロックチェーンとスマートコントラクトを学ぶ「スマートコントラクトは社会を拡張する技術です」

ブロックチェーン技術とスマートコントラクトについて解説してくれたのは、スマートコントラクト事業部エヴァンジェリストの加嵜さん。
ブロックチェーンの定義から歴史、スマートコントラクトの事例や未来まで、最新の情報が凝縮された2時間の講義となりました。

加嵜長門かさきながと

DMMスマートコントラクト事業部 エヴァンジェリスト

顔写真:加嵜長門
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程 修了
ビッグデータ活用基盤の構築に携わり、SparkやSQL on Hadoopを用いた分散処理技術やブロックチェーン技術の研究開発、事業提案などを担当。
同部テックリードの篠原航との共著『ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書』(マイナビ出版)は、発売から1週間で重版が決定。日本のブロックチェーン技術を牽引する。

誰にも管理されず、事実を保証するには

  • ブロックチェーンを形成する概念と技術の基本構成、応用と可能性、そしてブロックチェーンの限界についてお話しします。

  • ブロックチェーンを使ってサービスを開発するなら必須の基礎知識の話が聞けそう!

    マルシオ
  • 多くの技術がそうであるように、ブロックチェーン技術の登場の背景にも解決したかった社会的課題があるんです。ブロックチェーンの場合は、中央で管理する存在がない状態でも、自立分散的に動き続けるシステムを作りたい、という目的があったんです。

  • 確かに、既存のサービスって国や企業の管理下に置かれているものがほとんどだよね。

    マルシオ
  • 既存のサービス(中央集権型)
    既存のサービス(中央集権型)は大型コンピューターが必要
    ブロックチェーン(非中央集権型)
    ブロックチェーン(非中央集権型)は参加者が取引台帳を共有、分散し管理
  • ウィキリークス事件※2を覚えていますか? 当時、一般ユーザーはウィキリークスを支援したくても、権力統制の影響で通貨の送金ができませんでした。我々はどれだけお金を持っていても、そのお金が国家に管理されている以上、大きな力が働けば自由には使えなくなることを思い知った。そこで、誰にも管理されない状態でも継続維持できる送金の仕組みを欲する社会背景があって、そんな時代の流れの中で登場したのが、ビットコインだったんです。このビットコインが画期的だったのは、世界規模で動作する『ピュアP2Pにおける分散タイムスタンプサーバ』を実現したことでした。

    ※2:2010年11月28日よりウィキリークスでアメリカ合衆国の機密文書が公開された事件

  • P2Pって、中央管理のサーバがない状態で端末同士で直接データをやりとりすることだよね。タイムスタンプ……時間の刻印?

    マルシオ
  • 日付や時刻を記した文字列を思い浮かべてみてください。その文字列は『ある出来事が起こった日付や時刻を記録して、事実の存在を証明したり、前後関係を保証する』ために存在するとします。ブロックチェーンの中核となるタイムスタンプサーバの概念では、ブロックごとに“ブロック番号”が付与され、その“ブロック番号”が日付や時刻の役割を果たしているんです。

  • 事実を確実に証明するために、文字列としてタイムスタンプ(ブロック番号)を残すんだ。

    マルシオ
  • タイムスタンプの概念
    我々が普段使っている「時間軸」とは断絶されている
  • ブロックが連なれば連なるほど、過去の証明を覆す様な改ざんは不可能になります。誰にも管理されず、事実が証明され、やり取りが保証される。これがブロックチェーン技術の中軸となる『P2Pタイムスタンプサーバ』の仕組みです。

ほとんどの仮想通貨はブロックチェーン技術を使っている

  • ブロックチェーン技術を使った具体的なサービスやプロダクトについて紹介します。
    ブロックチェーン技術を使っているブロダクトで最も有名なのは『ビットコイン』ですが、それ以外にも多くのプロダクトが実在します。

  • ブロックチェーン技術を使ったプロダクト例
    • ビットコイン
    • ライトコイン
    • Colored Coin
    • イーサリアム
    • NEM
    • Hyperledger Project
    • ビットコイン・キャッシュ
  • ほとんどの仮想通貨はブロックチェーンで作られてるんだ。この実例を掘り下げていくと、合宿のゴールでもある、“スマートコントラクトなプロダクト”を作る参考の参考になるかも。

    マルシオ

契約が自動化されると人間の仕事はなくなる!?

  • スマートコントラクトの広義は“契約の自動化”。契約の自動化については、自動販売機に例えられることがあります。自動販売機は、お金を販売機に投入すると自動的に飲み物の所有権が売り主から買い主に移動しますよね。その考え方を電子化したのがスマートコントラクトで、電子化された資産が自動的にプログラムで移動する仕組みです。イーサリアムというプラットフォームはブロックチェーン技術でスマートコントラクトを実現するプラットフォームを目指していて、イーサリアムを使えば仮想通貨を利用する自動契約サービスを誰でも開発して公開することができます。

  • スマートコントラクト
    中央管理者を介さずに契約内容を自動執行できる
  • スマートコントラクトを使ったサービス例
  • 具体的なサービス例の中で、僕が好きなのは『storj』。これは、個人PCのディスク空き容量を資産として貸し借りできるサービスで、いわゆるクラウドストレージと同様の使い方が可能です。

  • 自分のPCの空き容量を誰かと自動契約するんだ~。

    マルシオ
  • 既存のクラウドストレージは管理している会社がいますが、『storj』のようなブロックチェーン技術を用いたクラウドサービスなら、自分のデータはバラバラになって暗号化されて格納され、管理会社に依存することなく個々が分散して管理するから、どこかのサーバがダウンしてもサービス全体が停止することもないんです。

  • 人件費もかからなくて低コストだし、誰かに管理されることで生じるリスクもなくなるんだ。自動契約が進むと人間の仕事は少なくなるな……。

    マルシオ
  • お金を得るためだけのいわゆる“労働”はどんどん自動化していいんじゃないかと、僕は考えてます。スマートコントラクトは社会を拡張する技術だと思っていて、これまで人間が作ってきたコミュニティやルールがブロックチェーン上にすべて記述されることで、人間同士でルールを作ったり契約をしたりする必要がなくなる。それがスマートコントラクトです。

  • 公的機関や保証人がない状態でも、何にも依存せずに信用や信頼を証明できる。確かに今までにない契約の形が実現するかも……!

    マルシオ

ブロックチェーンとスマートコントラクトを学ぶのまとめ

  • ブロックチェーンは「ピュアP2Pにおける分散タイムスタンプサーバーの実現」をするための技術
  • ビットコインはブロックチェーン技術を採用した仮想通貨
  • スマートコントラクトは広義では”契約の自動化”意味し、人間同士でルールを作ったり、契約をする必要がなくなる
  • スマートコントラクトはカーシェアリングや保険金額算出など応用が多岐にわたる

ブロックチェーンとスマートコントラクトの基礎講座を受けたら、講義後半ではIoTの基礎を学びます。「IoTを学ぶ」のレポートは前編2に続きます!